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おてらおやつクラブ [鎌倉つれづれ文]

皆さんは、お寺に行った時に、お供え物はどうなるのかなと疑問に思ったことはないでしょうか。
日本ではいわゆる食べることができるのに捨ててしまう食品ロスが年間600万トンを超えていると言われています。
そこで、これらのお供え物を無駄にせず、役立てるように努めている活動があることをTBSラジオの番組で知りました。
この活動は、お寺が協力して行っている、「おてらおやつクラブ」と言う取り組みです。
これは、お寺のお供え物を一人親家庭や養護施設などにて、充分に食べることのできない子供達におすそ分けする活動です。
2013年から始まったこの活動は、宗派の壁を越えて、現在は47都道府県に、531ヶ所のお寺が参加するまでに広がりました。
この活動に参加している神奈川県にある最明寺(サイミョウジ)の加藤宥教(カトウ・ユウキョウ)住職は、この取り組みについて次のように話ます。
「始めは、お供えを知らない方にお渡しするということに檀家さんから反発や否定的な反応があることを心配していましたが、そのようなことは全く無く、むしろ良いかつどうだと肯定的な感想をいただいたり、近くの農家さんからは、『送ってあげてよ』と旬の野菜をまとめて持って来てくださる方がいたり、時には箱詰めを手伝ってくれる檀家さんが出てきたりと協力的な人達により、この活動を続ける自身がつきました。」と話ます。
お供え物は、果物やお菓子以外にも、調味料、パスタ、ホットケーキミックス、そしてインスタントコーヒーなど保存が効く食べ物もあります。
また、洗剤などの日用品、法要でいただくお供え以外にも檀家さんが持ち寄る子供服なども集まるそうです。
そしてこれらの物を最明寺では、一部支援を必要としている家庭に直接送っていますが、基本的には、「おやつクラブ」に参加しているお寺から提携している子供の支援団体に食べ物を送って、その団体が必要な家庭に配ると言う仕組みになっているそうです。
例えば、最明寺では、池袋にあるシングルマザーが集まり助け合う、シングルマザーズ「ポコアポコ」に毎月食べ物を送っています。
ここでは、毎月家計の苦しくなる月末の日曜日に、メンバーがー集まり、お寺から届いたお菓子などを全員に振り分けています。
中心メンバーの齊藤利理子
(サイトウリリコ)さんは、会の状況を次のように話します。
「シングルマザーは、様々な事情で片親になられた方が多くて、今現在も元ご主人の暴力から逃げるために名前を隠して生活しているひともいるのです。
そのため、会に在籍している人にお渡ししたり、来れない人には、自分が配達をしたり、少し遠い所では、宅急便で送らせてもらうなどの細かい対応をしています。」と話ます。
サイトウさん自身も13年前に娘さんが生まれて、すぐに仕方のない事情で、シングルマザーとなりました。
働きながらの生活は、決して楽ではないのですが、同じ状況で苦しんでいるシングルマザーを支えたいといまの活動をしているそうです。
サイトウさん自身にも「オヤツクラブ」からの支援が届くそうです。
特に、娘さんは楽しみにしており、玄関のチャイムが鳴ると「もしかして」と言いながら、ダンボールを開ける時は満面の笑顔になって、開ける姿をみていると「私達親子を応援してくれる人がいるんだと感謝の気持ちを表します。
実は、「ポコアポコ」が活動している池袋エリアは、「ポコアポコ」以外に、子供食道や子供の夜間学習支援などの子供の支援ネットワークが比較的充実している地域です。
それがNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークです。
NPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の理事長、栗林知絵子(クリバヤシ・チエコ)氏は、子供達におやつを届けていることについて、次のような感想を持っているそうです。
「この豊島区の周辺は、子供やお母さん達が集まる場所がたくさんあるので、支援された物を鮮度別や期限べつにうまく分配できるのですけれど、支援団体のない地域でも、ここと同じような支援が届くように、近くのお寺と一人親家庭などがうまく繋がり、支援の輪が広がってくれればと思います。」と話ます。
最明寺の加藤住職も、「先祖への思いが詰まったお供え物が無駄にならずに、仏様を介して子供達の役にたってよかった。」と話をしていました。
私は、お寺がこのような取り組みをしていることを初めて知りました。
日本には、「もったいない」と言う物を大切にする精神論と「三方良し」と言う昔、近江商人が使用した言葉で、自分良し、相手良し、世間良し(この場合困っている家庭)良し)で、(世間(社会がうまく回っていくと言う考え方があるのですが、「おてらおやつクラブ」は「もったいない」と「三方良し」とを合わせた支援の形だと私は思いました。
そこでこれからは、参加するお寺がもっと増えて、支援の輪が広がっていけば良いなと思いました。
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